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ダウンジャケットのトラブル事例

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シーズン毎に様々なトレンドがありますが、寒い冬に活躍するコートやジャケットの中でもダウンジャケットは毎年人気のアイテムと言えます。
そこで今回は、ダウンジャケットのお洗濯やクリーニング時に起こる場合のあるトラブル事例を紹介します。
予備知識として理解しておくだけで、ダウンジャケットの買い方や、クリーニング店の選び方のお役に立ちます。

際つき(キワツキ)

ダウンジャケットのトラブルで代表的なのが、際つき(キワツキ)と言われる現象です。
際つき(キワツキ)とは、キルティングの縫い目部分に沿って濡れたようなシミが出来る現象を言います。

ダウンジャケットは、中綿(なかわた)を含んでいるという特徴から、通気性を抑える為に生地の密度が高い製品です。また、そのような効果を得る為にコーティング加工を施している場合もあります。

このように生地の密度が高いということは、洗濯後の脱水や脱液の効果が得られ難いうえに、乾燥もし難いという弱点があります。
この弱点を踏まえたうえで、ダウンジャケットの乾燥で注目したい部分では、大きく分けて3つの箇所があると言えます。それは、表地、裏地、ダウンパック(中わた)です。

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水洗いやドライクリーニングなどにより洗浄そして脱水工程を経たダウンジャケットについて、表地と裏地の表面は比較的容易に乾燥出来ますが、問題がダウンパック(中わた)部分です。

中綿部分は特に乾燥させるにしても、液体が気体になり外部に逃がす経路が少なく、ほぼ唯一縫い目が逃げ道に当たると言えます。
つまり、表面に比べ脱液効果が得られ難いうえに乾燥し難いため、また逃げ場の無い溶剤が縫い目に集中し乾燥スピードを遅らせます。その結果、他の部分の溶剤や水分が先に揮発して、縫い目に取り残されて揮発しなかった成分(例えば汚れ成分など)が際つき(キワツキ)になるメカニズムです。
このように際つきというトラブル原因は製品の構造的問題も含まれています。とは言っても、全てのダウンジャケットが同様の現象になるかと言えば、そのようなことはありません。


製品の問題 ~タンブラー乾燥禁止は正しいのか?~

際つきのトラブルが起きるダウンジャケットのほとんどが、ケアラベルに「タンブラー乾燥禁止」という表示がされているそうです。
結論から言うと、適切なタンブラー乾燥を行うことで溶剤を揮発させ「際つき」の発生リスクを抑えることが出来るようです。
何故かというと、自然乾燥を行えば「際つき」の起きるメカニズムに合致してしまうからです。具体的には、表地と裏地が乾いても中綿部分はジワリジワリと乾いていくことで、溶剤は縫い目に集まっていき揮発しない成分が溜っていきます。そして、「際つき」を起こします。

メーカーもプロとしての見極めが必要に

本来洗うことを前提にしたモノ作りをしていればむしろ「タンブラー乾燥を行うこと」という表示が付いてもおかしくないのかもしれません。しかし、タンブラー乾燥による付属品の破損などをメーカー側は恐れ「タンブラー乾燥はお避け下さい」という表示を付けるメーカーが意外に多いようです。しかし中には、明らかにタンブラー乾燥を行っても問題が無い品物もあり、メーカー側のトラブル防衛手段としての表示になってしまっているケースもあるようです。
メーカーには、何でもかんでも「タンブラー乾燥を禁止」するのではなく、プロとしての適切な表示の見極め求められます。

クリーニングの問題 ~洗い方を理解しているお店を選ぼう~

ダウンジャケットの「際つき」トラブルは、業界内では有名なトラブルです。そして、有名なだけに既に述べたような要因やその他の防止策も様々な場面で語られています。

製品の特徴に合わせた洗い方が出来るクリーニング店を選ぶ

例えばダウンジャケットでも、ナイロンのダウンジャケットとウールのダウンジャケットとでは、素材が異なることから洗い方も異なるはずです。また、異素材の組合せによるものや、付属品がデリケートなものなど、注意すべき点は衣服によって様々です。
このように、各々の衣服に合った最適な洗い方の出来る技術や知識を持ったお店を利用することが重要です。そのようなお店を見つけるコツとしては、そのお店の人が、洗い方をどれだけしっかり説明出来るかを試しに聞いてみることです。


画像提供:クリーニングショップひまわり

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